6:00 マリーナにはたくさんの漁船やクルーズ船が停泊。
ガイドが来ているか、辺りを見渡していると、『ヘイ!アンタがトオルか!?』
今回のガイド『ディビッド』さん。
見た目は、結構コワモテ・・・。しかし、2人の娘を持つ良きパパ。
ディビッドには、『ラージ狙いでいきたい!』と事前に強くお願いした。
なぜなら、『ルイジアナ・デルタ』と言えば、一般的に『レッドフィッシュ』の釣りが人気。理由は、引きが強くて、食べて美味しいから。そのため、レッドフィッシュ専門のガイドが当たり前で、誰もわざわざ『ラージ』を狙わない。そんな、私のワガママを快く引き受けてくれたのだった。
なぜバスフィッシングをするために、わざわざガイドの少ないルイジアナ・デルタを選んだのか?
その理由は、コレ・・・
(C)Bassmaster
『バスマスタークラシック』
アメリカのバストーナメント団体『B.A.S.S』が主催する、世界最高峰の大会。優勝賞金50万ドルを掛けて、年間の成績上位者50名前後で争われる。この大会で優勝することは、『バスアングラー最高の名誉』を意味する。
そして、『バスマスター・クラシック』は過去四回、ここ『ルイジアナ・デルタ』で開催された。記憶に新しいのが、ケビン・バンダム選手が4度目の優勝を飾った2011年。
(C)Bassmaster
3日間で合計69lb11ozを持ち込み、総重量で大会新記録を樹立、ぶっちぎりの優勝を果たした。この大会は2月のプリスポーン期にあたり、スタンプなどのハードボトムをクランクベイトやスピナーベイトでゆっくりと攻めるのがパターンとなった。
今回はバスフィールドとしてのポテンシャルを確認したかった。
凄腕のバスプロにしか対応できないのか?
それとも私のような素人レベルでもネットインできるか??
そして、どーしても行きたかったのが、『ウィニングエリア』になったこの場所、、、、
(C)Bassmaster (背景は、ニューオリンズの街並み)
『カタワッチ・フラット』
レイク・カタワッチの西側に位置し、以前は水の溜まった死んだレイクだったが、州の環境改善計画により、ミシシッピ川の淡水を流し入れる工事を行った。そして、そこにフロリダバスを放流。しかも、『カタワッチ・フラット』には貴重なハードボトムにグラスが絡み、ベイトフィッシュも多い。
今は6月中旬であり、シーズナルパターンは違う。しかし、こんな好条件が揃っているエリアは他を探してもないはず。しかも、マリーナから約30分の近距離。こりゃ、行くしかない!!
ここで、『ルイジアナ・デルタ』をご説明。
より大きな地図で ルイジアナ・デルタ を表示
『ルイジアナ・デルタ』
広さ:約5,000,000arc (約20,000km2)
平均深度:約3~5ft (約0,9~1.5m)
魚種:ラージ、レッドフィッシュ、キャットフィッシュなど
ルイジアナ・デルタはミシシッピリバー河口域に広がる湿地帯で、潮の満ち引きが影響するタイダルウォター。しかもその広さは関東平野に匹敵するほどで、湖や沼とそれをつなぐ無数の運河や水路で形成されている。全体的に水深が浅く、ショアラインは様々なベジテーションに覆われている。
また汽水域では、色んな魚種に出会えるのも魅力の一つ。海水魚は『シートラウト』や『フラウンダー(ヒラメ)』、淡水魚は『キャットフィッシュ』や古代魚のような『ボウフィン』など。その中でも『レッドフィッシュ』は絶大な人気で、引きが強くサイトで狙えることからフライフィッシャーマンからの支持も高い。
6:30 最初に向かったのは、マリーナ東にある『ペン・レイク』。ここはラージの実績があるようだ。水深3-4ftほど。ショアラインには、ベジテーションが豊富。
『トオル、コレを使え。』と手渡された、チャートのタンデムスピナーベイト。
ここ『ルイジアナ・デルタ』では、定番ルアーのようだ。
ショアラインを流していく。勝負は、ショアから1-2mまでのスポット。
ちょっとした凹みを探し、最奥へキャスト。すると、、、、
ひったくるような、強烈なバイト。ロッドが急激にしなる!!そして、次の瞬間、ラインブレイク。。。どうやら、メーター級のレッドフィッシュだった。
バイトが出なければ、エリアをどんどん移動していきます。無数に張り巡らされた運河や水路は、まるで迷路のよう。。。
こんなゴージャスなカバーは、山ほどある。。。その日のエリアを絞り出すのが、ガイドの大きな仕事と言えます。
どんどん流していく。すると、引ったくるようなバイトが!!
『ルイジアナ・デルタ』の記念すべき初フィッシュ!!!
まずは、フライフィッシャーマン憧れの魚『レッドフィッシュ』をゲット。確かにその引きは強烈です!!しかも、この金色に輝く美しいボディ、そして愛嬌のある顔も人気の理由ではないでしょうか!?
着水後のカーブフォール中にバイト!グラスカバーにいる魚をリアクションで引きずり出す感じ。おそらく勝負は、ショアから0.5-1mの狭いスポットだろうか。。。
8:00 次に点在する、グラス類で出来た島へ。
両サイドの際を、きっちりとスピナーベイトを通すと、、、
またしても引ったくるようなバイト。
そして、すかさずディビッドがネットイン!
若干だがサイズUP!完全なラージ狙いだったが、レッドも楽しい・・・笑
おろらく、『カバー』、『ベイト』、そして『ウィンディサイド』がキーになっているはず。重点的にそれらの複合エリアを攻めてみることにした。
9:00 その後、目的地の『レイク・カタワッチ』を目指す。
途中、石油を運ぶ巨大な『タンカー船』や、エビ漁などに使われる『水揚船』が目の前を通ります。結構、迫力あります。。しかし、揺れる揺れる。。。(汗)
マリーナを出て約30分、徐々に見えてきた。2011年クラシックのウィニングエリア、、、、
カタワッチ・フラット!!
ここで釣りがしたいがために、滋賀からココまで来たのだ。(笑)
早速、Basserを開いて、クラシックのウィニングパターンを説明。
トールゥ:『あーで!こーで!!そーなって!!!(熱)』
ディビッド:『ふーん・・・・・・・(冷)』
この辺りは、元々農場があった場所で、『ルイジアナ・デルタ』で珍しくスタンプなどのハードボトムがある。また堤防に沿ってブレイクラインが走っており、水深は堤防側が約3-5ft、沖側が約6-8ftのフラットが広がる。さらに今日は、ヒヤシンスなどのグラスカバーが堤防に絡むように点在し、ベイトフィッシュを狙う鳥がたくさん集まっている。これは、絶好のチャンス!!!
ここで、ルアーチェンジ!もちろん、2011年クラシックのウィニングルアー、、
KVD1.5 レイク・カタワッチ・スペシャル!!
只今、浮き足状態。完全に『ケビン・バンダム』に成りきってます。(笑)
ちなみに頭の中では、もうすぐこうなる予定、、、
(C)Bassmaster
予定は、あくまでも予定。。。
風がだいぶ強くなってきた。しかし、ボートは堤防と同じ距離を保ちながら、一定の速度で進んでる?
トローリングモーターは、ミンコタの『オートパイロットモデル』。自動的に記憶した方角にボートの向きを修正してくれる優れもの。しかも、ワイヤレスリモコンで後方から操作が可能。だから、ゲストは船首のベストポジションでフィッシングを満喫できる。素晴らしいエレキに感謝!!
11:30 しかし、全く反応なし。ひとまず、午前中バイトが集中したショアラインを流していくことに。
風が吹いたり、止んだりを繰り返す。突風が吹き出した瞬間、ディビッドが『バズベイト』にチェンジ。すると、、、、
やっと出ました、念願のラージマウスバス!!
突風が吹いて、活性が上がったのか。それにしても見事なルアーチェンジ。改めて、プロガイドのレベルの高さに驚かされてしまった。。。
これで、トールゥの活性も上がる!上がる!!(笑)
12:00 比較的、風の影響を受けにくい、狭い運河に到着。ここでも、シャロークランクを中心に流していく。
ショアラインは、約3-4ft前後。カバーはグラス系だけでなく、レイダウンなどのウッド系も目出つ。オーバーハングのシェードに絡むグラスエリアを探っていくと、、、
古代魚の仲間で比較的ポピュラーな魚”ボウフィン”。
可愛い顔して、鋭い牙でクランクを丸呑み。恐ろしい・・・。ちなみに、食べても美味しくないから即リリース。
風が弱まり、日が上がる。明確なシェードが形成されているエリアへ。オーバーハング(赤印)にキャスト。着水後、巻き始めた瞬間、、、
バイト!暴れ出す巨魚!!
ジャンプ一番!必死に抵抗。
ゆっくりと引き寄せて、無事にネットイン。果たして、、、、
”チャネルキャットフィッシュ”
別名アメリカナマズ。日本のナマズよりも、身がしっかりしている感じ。持ち上げている間、『ぐぅ~ぐぅ~』と鳴いていた。。。
ディビッド曰く、『ルイジアナ・デルタ』でもなかなかのグッドサイズのようだ。バスではなかったが、何が出るか上げてみるまで分からない、これがルイジアナ・デルタの魅力です。
13:00 タイムリミット残り1時間。ラージが出るのを信じて、ひたすらキャスト!
『フラァ~』と泳いでいます。メーター級のアリゲーターが。。。。
13:30 目の前には、シェードを形成する、いかにもなウッドカバー。
集中すべきポイントも分かってきた。おそらくこれが、ラストチャンス!!
そして、、、、、
今日一番のバイト!!
そして、今までの引きとは比べ物にならない。。。
どんどん、下へ、下へ、と潜っていく。魚も激しく抵抗!!!
『うぉーー!ラージなら、確実に10lbオーバーやぞ!!』
なんとかネットイン!!無意識に雄たけびを上げる。
さぁ、果たして魚は・・・・・・・・・
黄金色に光り輝く”レッドフィッシュ”
今日一番のビッグフィッシュを手に感無量。『これがラージだったら・・・』と思う半面、日本ではお目に掛かれない魚たちとの出会いに感謝。本当に来て良かった!と思う瞬間だった。
今回、大活躍したクランクベイト。激しいバイトの後、完全にリアフックが伸ばされていた。
最後は、楽しませてくれた『レッドフィッシュ』をゆっくりとリリース。
『また、いつか会おう!!』
14:00 今回は、残念ながら目標の『ラージ』を手にすることは出来なかった。
しかし、最後まで諦めず私のワガママに付き合ってくれた『ディビッド』に感謝の意を伝えたい。本当にありがとうございました!!
トールゥ